ナカミヱズログ

- nakamiwe's log -
現パロ既婚ダームエルに伴侶を愛称で呼んで欲しかっただけの短い話

ダムフィリほのぼの。いわゆるメタネタがあります。



 ……あぁ、もうこんな時間か。

 毎週観ているテレビ番組の時間が近いと気づき、ダームエルは食器を片付けていた手を止めた。
 フィリーネも楽しみにしている番組で、時間になっても自室から出て来なかった場合、互いに声をかけるのが習慣化している。
 ダームエルはリビングのテレビをつけてチャンネルを合わせると、フィリーネの部屋に向かった。

「フィリーネ」

 ノックをするが、返事がない。

「フィリーネ。
 ……フィー。
 『本好き』が始まってしまうぞ」

 何回かノックしても、ドアの向こうで人が動く気配はない。ダームエルは仕方なくドアノブに手をかける。ドアはすんなりと開いた。

「……フィー?」

 見ると、フィリーネはベッドの上で寝息をたてていた。何をしていて力尽きたのか、頭の横には端末が転がっている。

 ……最近、ばたばたしていたからな。

 部屋に人が入って来ても目を覚まさないなど、どれほど疲れているのか。心配ではあるが、急病などではなさそうだ。ダームエルは軽く安堵の息を吐くと、目を細めてフィリーネに近づいた。

 ゆるく閉ざされた瞼に、髪と同じ蜂蜜色の睫毛。わずかに開いている唇。少し首をかしげるようにして、くたりと投げ出されている小柄な体。無防備な寝姿が、触れられる距離にくる。

 可能な限り低い年齢でダームエルと結婚したフィリーネは、こうして見るとまだまだあどけなく、微笑ましい。だが、学業と仕事を両立する勤勉さや芯の強さは、決して子供と侮れるものではない。今のダームエルにとっては可愛くて仕方ないし、尊敬もできる、代えなど存在しない大切な伴侶だ。

「ん……
 ひゃあ!?」

 ダームエルが『そーっと』起こすと、フィリーネは唇を押さえて飛び起きた。

「なっ、ダ、ダ……」

 みるみるうちに顔を赤くしたが、すぐに「あっ」と気付く。

「始まってしまいましたか!?」
「いや、まだギリギリ間に合う」
「良かった……!」

 頰を紅潮させたまま身を寄せて来たフィリーネを一度軽く抱きしめて、ダームエルはリビングに引き返した。

 二人並んでソファに腰を下ろすと、待っていたかのように番組が始まる。
 主題歌に合わせて軽くリズムを取りながら、二人は目の前に広がる異世界に入って行った。





   おしまい





 お読みいただきありがとう存じます。

 タイトル通りの動機で書いたものですが、『その作品のキャラが、その作品を読んでいる』みたいなシチュエーションもとても好きなので混ぜてみました。せっかくの時事ネタですし。


2021年追記:
 アニメ化が発表されたころの作品です。正直にわたしの感覚を言うと「フィー」という響きがフィリーネに合っているとはあまり感じないのですけれど、それを唇にのせているダームエルはとっても甘そうだと思ったので採用しました。










[本好きの下剋上ファン作品 No.9]

#ダムフィリ #ほんずき現パロ #フィリーネ #ダームエル #本好きファン小説